安い、高い、ほどほどであるなど、いろんな考えがあると思います。
生産者である私の考えは、「農産物の価格は安すぎる」と思っています。
生産者の労働を時給換算にすると500円をくらいではないでしょうか
これはすべての条件が整った時のことです。
ここに、「気候条件」「自然災害」「鳥獣の被害」「害虫や病原菌の被害」などが加わります。
このような条件が加わると、時給500円はますます下がります。
農家は決して楽な仕事ではありません。
朝から晩まで働きます。場合によっては休日もありません。
市場出荷の場合は規格が求められます。
規格を揃えるだけでも大変な作業ですが、規格外は商品価値がないとみなされます。
大量に生産しない限り、農家は食っていけません。
大量生産するには、農業機械をある程度揃えなくてはなりません。
トラクター、軽トラック,管理機、草刈り機、散布用機械など、生産するには機械等を揃えなくてはなりません。
大量生産するには作業の効率化を進める農業機械が必要となってきます。
実際かかる費用は農業機械だけではありません。
ビニールハウスなどの施設栽培なら、経費はますますかかります。
ここに肥料代もかかります。
その他にも、ビニールマルチ、出荷の時の段ボール、野菜を詰めるビニール袋、秤、など 費用はかかってきます。
農協は生産者登録さえしていれば、簡単にお金を貸してくれます。
しかしお金を借りれば当然のことながら借金です。
借金すれば身動きがとりずらくなります。
もし農家をやめようと思っても借金のためにやめられないのです。
最近の社会情勢では、ウクライナの戦争による化学肥料高騰でさらに追い打ちをかけています。
化学肥料は高騰しているものの、生産者には販売価格に上乗せされていないのが現状です。
もう一つ残念な話をすると、生産者の高齢化です。
生産者の平均年齢は70歳より少し低いくらいです。
これが日本の農業の実情です。
これだけ化学肥料が値上がり、赤字が続けば生産者はますますやめていくことでしょう。
食糧危機がにわかに騒がれ始めていますが、あながち本当に来るかもしれないというのが私の意見です。
私は楽観主義者ではありません。
いろんな条件が恐ろしいほど揃いすぎていて、食糧危機は現実味を帯びています。
今の現状をしっかり把握し、何ができるかを具体的に考え、行動に移していくことが何よりも大事であるというのが私の考えです。
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